割振表作成業務のシステム化によりマニュアル編集・転記作業の工数削減と業務フロー改善を実現
システム導入前の課題
造園業を営むT社様は、花などの商品を市場から購入後、それをホームセンターなどのお客様に配送する業務を行っています。市場からの買付からトラックへの荷積みまでの各プロセスにおいて、
- 手作業によるExcelの編集作業
- Faxなど紙の情報をExcelに転記する作業
- Excelの情報を販売管理システムに手打ちする作業
など、多くのマニュアル作業がかかっていました。ベテランのスタッフにより運用されていましたが、そのスタッフ以外は対応できないという属人化の問題もあり、何かトラブルがあった場合は業務がストップしてしまう可能性を持っていました。また、販売管理ソフトを使用していたものの、ソフト導入時の設定では原価(仕入値)の入力ができない設定となっていたため、粗利の把握がすぐにできないという問題も抱えていました。
システム対応検討
そのような中、弊社にお話がありました。一番やりたいことは、自社の経営状態をすぐに把握できるようにするために、粗利管理ができるようにすることです。販売管理ソフトをうまく使えていないために、ソフト上での粗利管理ができていない問題もありますが、ソフトだけ対応してもうまく運用が回らない(追いつかない)ことが見えていたため、販売管理ソフトに入力するための元データ作成部分(割振表作成の部分)にも手を入れるような方針を決めました。
まずはじめに現状の業務フローを確認し、図解化しました。これによりボトルネックとなっている業務が見えたため、システム側観点と合わせて運用側観点も添えて提案をしました。
システム観点
- 市場で購入した商品情報データを元にマニュアルでExcel表(割振表)を作成している部分の自動化。(特に多くのマニュアル作業が入っている部分への対応)
- Excel表(割振表)を見ながら販売管理ソフトに手入力している部分の自動化(販売管理ソフトのインポート機能を使うための対応)
運用観点
- 紙に書いた情報を自社スタッフへFaxし、それを元にスタッフがExcel表に転記する作業の廃止。(市場で直接入力する)
- 販売管理ソフトへの仕入値(原価)の入力
- 販売管理ソフトの集計機能の活用
ソリューションとしてはクラウドサービスの利用も候補に入れましたが、
- 手作業部分のロジックをシステム化できるサービスが無い点
- Excelを使い慣れている点
- 利用者数が少ない点
を考慮し、Excel VBAで対応することしました。市場ですぐに入力して自社と共有するために、メールではなくDropboxとの併用する形としました。
システム対応後
シンプルな構成のため、導入後はスムーズにご利用いただいています。このシステム対応により、次のことが実現することができました。
- 粗利のタイムリーな確認
- 既存資産(販売管理ソフト)の有効活用
- 属人化の排除
- 業務フローの改善、仕事のやり方の変革
- 作業の効率化(マニュアル作業、転記作業の廃止)