Access2000で作成された業務システムを最新形式に変換して継続利用させた事例

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Access2000で作られた業務システムファイルを、現在サポートされているバージョンのAccessに変換して、継続利用できるようにした事例です。

お客様の課題

Access2000を用いて作成した業務システムがあり現在まで使用されていましたが、Windows10環境にて動作が不安定になったことから、ファイル変換をかけて最新版にしたいとのお問い合わせがありました。

Windows10ではAccess2000はインストールできないと想定されるため、Accessのバージョンが間違っているのではないかと確認をしたところ、どうやらWindows10にはアップグレードで対応したためAccess2000が入っている環境となっているという事でした。

つまり、「Windows10以前&Access2000」の環境から「Windows10&Access2000」という環境になったということです。

Office365のAccessでファイルを起動しようとしたところ動かないということで、弊社にご相談がありました。Accessで管理されているのは過去から積み重ねた顧客情報であるため、弊社でも何とかしたいと対応することとしました。

Access業務システムの調査

古いバージョンで作られたAccessファイルの場合、現行バージョンで動かせるようにするには様々な確認が必要となります。

参考:システム継続利用のためにAccessをバージョンアップする際の7大ポイント

とりあえず、弊社でAccessファイルが開いてみたところ、開くことができませんでした。

Accessを開いたときのメッセージ

「現在のバージョンの Microsoft Access では、レプリケートされたデータベースはサポートされていません。このデータベースを使用するには、以前のバージョンの Microsoft Access で開いてください」

というメッセージが表示され、OKを押してもファイルの中身が見れないという状態でした。

レプリケートの機能はAccess2013からは廃止になった機能なため、Access2010以前の環境が無いと開くことすらできない状況でした。手元にあるのはAccess2016の環境だったため、Access2010の環境がまず必要でした。手詰まりになる可能性が高かったのですが、幸いにも社内に1台あったため、これを活用して開くことができました。

次に問題になったのはマスターファイルが無いということでした。レプリケートの構成となっている場合、元となるマスター用のファイルがあるはずなのですが、お客様に確認したところ無いとのことで、レプリケートされたAccessをマスターとして変換するようにしました。

ところが、マスターとして変換をかけても、再度同じメッセージが表示され続け、うまくマスターとして変換されません。

そのため、最終手段としてテーブル、クエリ、レポート、フォームをそれぞれエクスポートして別Accessファイルにインポートすることで対応し、動作確認を行って最新の.accdb形式に変換したのち、納品する形となりました。

変換後のファイルはOffice365で動かせたため、システムを継続的にこれからも利用できるようになりました。

まとめ

Accessファイルの変換には様々な確認が必要で、一筋縄ではいかないケースが多いです。

特に、Windows7のサポートが2020年1月で切れたことに伴いWindows10のPCに乗り換えされるケースにおいて、これまで動いていたAccessが動かいないといったケースが多いようです。

お使いのAccessシステムが現在サポートされていないバージョン(特に.mdb)の場合、別のクラウドサービスへの載せ替えをまず検討してみてください。どうしても現在利用しているAccessファイルを使い続けたい場合、mdb形式のファイルを使い続けるのではなく、サポートされているバージョン(.accdb)への変換を検討してみてください。