作業の振り分け業務を紙からkintoneに変えて効率化&見える化した福島県本宮市で士業をされている弊社お客様の事例です。
作業振り分けの管理
このお客様では社内で業務内容ごとに担当者が分担されているため、何か作業してほしいことが発生した場合、まず作業管理用のノートに記入することを行っていました。
作業依頼者は主に次の内容をノートに記入します。
- 記入日
- 記入者(依頼者)
- お客様名
- 作業内容
- 対応期限
- 予定工数
次に、作業の割り振り担当者(コントローラー)がノートを見て、誰に作業を割り振るのかを、抱えている作業内容・難易度・工数・期限等を元に決めます。この際、作業担当者の名前をノートに書き込むと共に、作業担当者へ連絡します。
作業を割り振られた担当者は、期限を見ながら作業を進めます。
最後に、作業担当者は業務を完了したらノートに完了日、実績工数を記載するとともに、コントローラーと作業依頼者へ連絡をします。
このような作業依頼→担当者割り振り→作業→完了連絡を、作業管理用ノートを使用して行っていました。
紙を使用した管理に伴う課題
紙の管理であるため、作業の割り振りにおいては次に様な課題を抱えていました。
担当者毎に現在抱えている作業のボリュームが見えにくい
ノートには作業が発生した順に記入されていくため、並び順を担当者毎に変えることができません。そのため、まだ完了していない作業を各作業担当者が何件抱えているのか、どれぐらいの工数の作業を抱えているのか、といったことを即座に確認することができませんでした。
作業の期限が追いにくい
作業の中にはすぐ終わるものもあれば、時間がかかるものもあります。そのため、期限が近いものから順に確認していくということを、目視ではなかなかスムーズに行うことができませんでした。
予実の確認ができない
ノートには予定工数、実績工数を記入していますが、それらの情報を比較したり分析したりするには再度Excel等にまとめて集計することが必要であったため、予実工数を入れていても中々分析作業まで手が回っていませんでした。
過去のデータが生かされない
ノートにはどのお客様の作業かを記載しているものの、過去にどのような作業を行っていたのか、どれぐらい時間がかかっていたのかということは、過去のノートを順に見ていく必要があるため、すぐに情報を取り出すことができませんでした。
kintoneで作業割り振り用アプリの構築
このような課題を解決するためにkintoneでどうにかできないかという相談が弊社にありました。kintone標準の一覧画面やグラフでもできそうでしたが、KOYOMIというタスク管理プラグインを導入されていたので、KOYOMIを使用した作業管理アプリを構築しました。
アプリのイメージはこのような形です。
今まで紙の一覧で管理していたものがこのような表示になったことで、必要な情報が見やすくなりました。
運用的にはこれまでとほぼ同じですが、一部はkintoneの通知機能を使うことで自動化しています。
- まず一番初めに作業依頼を出すときは「未割当」でデータを作ります。この際、自動的にコントローラへ通知が飛ぶように設定しています。
- 次にコントローラーが「未割当」のデータを見て、作業担当者へ割り振ります。このアプリでは、横軸は作業担当者毎に表示させるようにしていますので、担当者毎の抱えている作業件数(作業担当者名の横の数字)、抱えている作業の予定工数(作業担当者枠の下側の時間)、対応期限(各作業担当者枠では期限が近いものから順に表示)が分かるようになっています。KANBAN表示上でドラッグ&ドロップで作業担当者へ割り振りを行います。割り当て後はコメント機能で担当者へメッセージを送ります。
- 最後に作業担当者が作業完了後、自分の作業データに作業完了日と実績工数を入力します。作業完了日を入れて登録したタイミングで、作業依頼者とコントローラーへ通知が飛ぶように設定しています。
kintone化による効果
このようにプラグインを使って表示を実現したことで、KANBAN画面上で、
- 各作業担当者の抱えている作業数
- 各作業担当者の抱えている作業の予定工数合計
- 各作業担当者にどのような作業が割り振られているのか
- 期限が近い作業がどれか
- 誰からの依頼なのか
といったことがすぐに分かるようになりましたので、作業の「見える化」を実現することができました。
これによりコントローラーが作業を割り振る際に必要な情報がすぐに読み取れるようになり、初期の作業の割り振りが行いやすくなりました。合わせて、作業担が遅れているような場合の別担当者への再割り振りについても、表示されている情報からすぐ判断できるようになり、喜ばれています。
また、kintoneのグラフ化機能を用いることで、これまですぐに集計できなかった次のような情報も簡単に取り出せるようになりましたので、改善や評価につなげられそうです。
- 予実の比較
- 担当者毎の月別工数集計
- 顧客との紐づけ表示
このアプリについてはブログの別記事で詳しく解説していますので、是非参考にしてください。