最新Windows PCでのAccessシステムの継続利用を実現
システム導入前の課題
福島県中通りの二本松市で製造業を営むN社様は、受注管理・部材管理・在庫管理・購買管理など様々な機能を持つMicrosoft Accessのシステムを利用されています。システム自体は数十年前に作成されていたものですが、継続的に現在まで使用されていました。しかし、システム自体の保守サポートが無く、Accessのバージョンアップもしていないということもあり、システムが動く環境である旧バージョンのWindows OSのパソコンを仕方なく利用されている状態でした。
課題
次のようなシステムや業務の課題を抱えていました。
- システムはAccess 98、2000形式(MDBファイル)で作成されており、最新バージョンのアクセス(ACCDBファイル)に形式変換されていない。サポート切れのバージョンを利用していた。
- システムを動かすためにAccess 2000がインストールされている旧バージョンOSのPCを継続的に使用していたが、そのPCのOSもサポート切れで常にセキュリティリスクを抱えていた。また、いつパソコン自体が動かなくなってしまうかわからない状態であり、Accessファイル自体もバックアップされていなかった。
- 操作マニュアルが無いため、機能としては多く用意されているが、使用しているのは一部の機能のみであった。
システム対応
Accessではなく新規でシステムを作る方法も検討しましたが、「現行のAccessシステムの機能をそのまま活かして、最新OSのPCで動くようにして欲しい」というお客さま側の強い要望がありました。そのため、Accessのバージョンアップ対応を取ることで、既存システムを継続利用できるように取り組みました。
単に動くようにするだけではなく、次の点も提案し、新環境で動作させることとしました。
- NASにアクセスファイル(データ格納用ファイル)を配置。合わせてファイルのバックアップを取るように対応。
- 各Accessファイルに対して最適化の処理を追加。
- システムの実行に必要なAccessについては、製品版を購入せずAccessランタイム(無料)を利用。
- 現在使用しておらず、使い方もわからないような機能については、移行対象外として工数削減。
- システムの仕様書、操作マニュアルが無いという状態であったため、移行段階では機能追加はせず、動かせることのみ対応
システム対応により、普段利用されているPCにてシステムを起動させることができるようになりました。データ自体もバックアップが取られるようになったため、何か障害が発生しても復旧が可能になり、事業継続のリスクを低減させることができました。