毎年発生する業務のkintoneアプリ化による参照工数・集計工数の削減
定例業務のkintoneによるシステム化
福島県中通りの本宮市で会計事務所を営むM社様では、紙で行っている業務を少しずつkintoneに移行しています。そんな中、毎年発生する確定申告の業務において、これまで紙書類を手書きで作成して決裁にまわしていた運用をkintoneによって電子化しようという話が出ました。
紙運用による課題としては次のようなものがありました。
- 去年の請求額を参考情報として書類に記入する必要があるが、去年のデータを紙書類の中から探す必要があり、手間がかかっていた。
- 全体でどれぐらいの件数があり、どれぐらいの金額になっているのかきちんと把握できていなかった。
- 社内で業務にかかった工数を書類に記入していたが、トータルで各人がどれぐらいかかっているのかの集計には利用しておらず、人毎の工数管理ができていなかった。
これらの課題の対応するために、kintoneで報告書を作成することとなりました。
kintoneによる集計作業と参照作業の削減
これまで人手で調べていた情報については、極力システムに落とし込むように対応しました。kintone標準機能では実現できない部分については、JavaScriptによるカスタマイズを施しています。
- 画面に入力された年を条件に、前年の情報を自動取得して表示(JavaScriptカスタマイズ)
- 単価は他アプリから取得した額を表示
- 顧客に関連する情報はルックアップや関連レコードで表示
- 申請から決裁までのプロセスは、プロセス管理機能によるワークフロー化により電子化
- 全体を通しての集計はグラフ機能で実現
kintoneによるシステム対応によって、確認作業と集計作業の削減を実現しました。毎年のデータが溜まっていくことで年別の推移や担当者別負荷の状況も把握できるようになります。
運用面の工夫
これまで紙運用ということもあり、いきなり全て電子化してワークフローをまわすというのは利用者のイメージがつきにくく抵抗がありました。そこで、報告書をkintoneで作るところまでをまず運用開始し、作成後はこれまでと同じ紙書類での決裁としてみました。このようにすることで利用者としての変更点は報告書の作成方法のみであるため、運用上の混乱は少なくてすみました。
今回は画面を印刷する運用としたため紙の削減までは実現できませんでしたが、PCでのデータ確認についても決裁時にあわせて試してもらうことで、電子承認のイメージと画面での確認方法の手順も理解してもらいました。紙書類ではなくてもこれまでと変わらず確認が取れそうだという感触をつかんでいただいたので、次回からは画面を印刷せずに全てPC上でワークフローをまわすようになる予定です。