新卒・中途の採用管理・選考管理をkintoneでシステム化したアプリ例

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自社への就職や転職希望者の採用に関して、どのように管理しているでしょうか。世の中には、大手人材関連エージェントが提供しているサービスや人材採用・選考管理に特化したサービスなど様々なものがありますが、専用のサービスを使うほどではないという中小企業の方も多いと思います。

  • 少し面倒な部分や共有に手間のかかる部分があるものの、現在Excelで管理できている。
  • 人材採用管理に特化したサービスを使うまでも無い。(機能が多すぎて使いこなせない。そこまで多くの機能は必要ない。月額の利用料が高い。)

そのような場合、kintoneを使ってアプリを作るのもひとつの手です。これまでご紹介した「会議室予約管理」「社内イベント管理」「社用車管理」などと同じように、kintone上に「採用管理・選考管理を行うシステム」を構築すれば、専用のサービスを購入することなく機能追加ができ、かつ、機能追加しても費用はkintoneの基本利用料のみとすることができます。キントーンはエクセル+αの機能を持ち合わせているため、これまで手間のかかっていた部分を効率化することも可能です。

そこで今回は、kintoneで採用管理・選考管理アプリを作成した例をご紹介します。人材採用管理・選考管理の専用サービスに用意されているような高機能なものは実現できませんが、基本的な管理と共有を行うことが可能です。

採用管理・選考管理システムに求める機能の検討

採用管理・選考管理にはどのような機能が必要かを考えてみたいと思います。

応募者情報の管理

基本的な情報としては、まず応募者の情報があります。必要なものとしては、次の情報が考えられます。

  • 氏名、ふりがな、性別、生年月日、年齢、電話番号、メールアドレス、住所、写真(添付ファイル)、履歴書(ファイル添付)
  • 資格、学歴、職歴、志望動機、自己アピール

履歴書がある場合は添付できるようにしておくと、後で参照したい場合に見つけやすくなります。その他、資格、学歴などについては、必要であればフィールドとして追加してもよいでしょう。ただ、履歴書の添付ファイルで見れればよいという場合は、特に追加しなくてもよいかと思います。

応募情報の管理

どのような募集に対して応募してきたのかなど情報も必要そうです。新卒採用や中途採用の両方を募集している場合、それを区別するためのフィールドが必要そうです。

  • 希望職種、希望勤務地、応募のきっかけ、新卒・中途・アルバイト

選考状況の管理

選考にはいくつかのステップを踏む場合が多いです。ここが選考管理の肝になる部分かと思います。会社によって選考プロセスは様々ですので、自社に照らし合わせた場合にどのような項目が必要かを検討します。

一般的に多いのは、書類選考 → 一次選考(面接) → 二次選考(面接) → ・・・ → 内定 という流れでしょうか。

  • 選考状況ステータス(書類選考中、一次面接、二次面接、職場体験、内定 等)
  • 各選考プロセスの面接日
  • 各選考プロセスの担当者
  • 各選考プロセスのコメント
  • 各選考プロセスの合否
  • 各選考プロセスの合否連絡をしたかどうか
  • 内定承諾・内定辞退、辞退理由

選考状況ステータス(書類選考、一次面接、二次面接・・)をkintoneのプロセス管理機能を用いて管理するのもひとつの手ですが、プロセス管理しなくてもステータス用の項目を用意すれば管理できそうです。ただ、希望職種によって選考プロセスが変わるような場合、アプリを別で作るか、同じアプリ内で人手によってプロセスを設定するかが必要になります。カスタマイズで自動的に希望職種によってステータスを変更させるのも手です。また、ステータスのフィールドを用意すると、ユーザが自身でステータスの変更をする必要性が出てきますので、それが手間であればカスタマイズにより保存時に自動設定するようにするか、ステータス用のフィールド自体を用意しないという方法もあります。

選考状況の共有管理

基本的に採用管理・選考管理アプリを見に来れば応募者の選考状況の確認は可能ですが、関係者というと社長や役職者がメインと想定されるため、自ら進んで見に来るというのは考えにくいです。そのため、各選考プロセスを終わって合否を出した段階で関係者への通知するようなことが必要そうです。通知についてはkintoneに「レコードの条件通知」として機能が用意されていますので、画面上のあるフィールドがXXXになったら関係者に通知するような設定にしておけば、自ら情報共有しなくても自動的に行えるようになり、手間が減ります。通知が来て気になればアプリを見てもらえればいいですね。

一覧とグラフの表示検討

また、一覧やグラフ表示として何が必要かも考えてみます。一覧としては選考状況ステータス別で条件を事前設定しておくとすぐに把握が可能になりますし、カレンダー形式で面接日を表示しておくのもよいかもしれません。

グラフとしては例えば次のようなものがあるとよいかもしれません。

  • 希望職種別の比率
  • 応募のきっかけの比率
  • 応募者の男女比
  • 選考状況ステータス別の人数

採用管理・選考管理アプリ例イメージ

今回は、kintoneアプリストアに用意されている採用面接管理アプリをベースに作成してみました。

アプリ登録画面

サンプルアプリをベースに作成することで、はじめから作るのに比べて時間短縮をすることができます。いくつかフィールドを追加することで作成しました。

<追加したフィールド>

年齢、応募日住所、顔写真、募集区分(新卒採用・中途採用・アルバイト)、書類選考日、担当者_書類選考、合否_書類選考、内定受諾、内定辞退理由

kintone採用管理アプリ新規登録画面

採用管理・選考管理アプリの一覧画面

一覧画面には、各選考プロセスの状態を表示しています。全応募者の状況を見て取ることができます。

kintone採用管理一覧画面

また、事前に選考状況のステータス毎に検索条件を保存しておけば、数クリックの操作で対象者を見つけることが可能です。各選考プロセス毎に合否の情報を持っているため、そのデータを元に絞り込み条件の設定をすることができます。(以下は絞り込み条件の設定例です)

kintone選考管理事前条件設定

グラフ表示も同様に、事前に絞り込み条件とグラフの種類を設定しておけば、クリック操作で表示が可能です。グラフをクリックすると対象データの一覧で絞り込まれますので、まずぱっと見て状況把握するにはグラフが便利です。

kintone採用管理システムグラフ例

採用管理・選考管理アプリのレコードの条件通知設定

ステータスに変更があった場合に通知を設定することも可能です。設定画面から「レコードの条件通知」から行えます。以下の例では、合否フィールドの値が設定された際に、通知が飛ぶようにしています。

kintone採用ステータス変更時の通知

まとめ

採用管理・選考管理をExcelで行う場合は、応募者一人ずつシート別に作ったり、1シートに一人一行形式で作ったりということが必要です。しかしそれをkintoneで行うことで、情報の登録が1箇所に集約され、その情報を見せる形は画面上で一覧・グラフと自由に設定が可能になります。また、採用のステータスが進む毎に共有が必要な場合はレコード通知機能にて通知することで、管理者のメールや発信の手間を削減できます。

社内の業務をもう少し楽に、Excelライクに管理したい場合、kintoneが活躍できる部分は多いです。今回ご紹介した採用管理・選考管理以外にもkintoneで管理することで仕事がやりやすくなる部分は多くあると思いますので、是非試してみてはいかがでしょうか。