弊社で導入支援をしているサイボウズのkintone。TV CMも大々的に放送され、知名度も上がってきました。聞いたことある!という人も増えてきたのではないでしょうか?
また、OA商社やシステム会社が、営業で訪問した際に紹介された。といったこともあるようです。
実際、弊社にお問い合わせをいただくお客様でも、kintoneを紹介されたけど、自社にて使いこなせるのかわからない。というお声をいただくことも増えてきました。
今回は、”kintone営業”を受けた際の、考え方のヒントになればと思い記事にいたします。
OA業界とkintoneの関わり
OA業界は、お客様との深く長いお付き合いがあることが最大の特徴で、複合機だけでなく、パソコンやネットワーク環境、システム…と幅広く手掛けています。
そんな、OA業界でも、お客様のDX支援や業務効率化として、kintoneへの関心は非常に高いといえます。
実際、「リコージャパン株式会社」はkintoneのOEM供給を受け、「RICOH kintone plus」を販売していたり、「富士フイルムビジネスイノベーション株式会社」などの大手OAメーカーや、「株式会社大塚商会」のようなOA機器を取り扱う総合商社でも、サイボウズオフィシャルパートナーとなっています。また、大手OAメーカーの代理店である地域密着型のOA商社でも、パートナーになったり、積極的にkintoneを販売している会社も現れています。
OA業界の商法、特徴

OA業界は、当然ですが、製品を販売した粗利を利益として活動しています。
複合機やパソコンなど、多くは5年リースを設定することが多く、そのリースの更新が大きなアピールチャンスになります。
リース満了が近くなると訪問回数も増え、積極的に営業をしてくるが、導入後はあまり来ない…そんなイメージがある方もいるのではないでしょうか?
実際、OA業界は、”手離れ”のよい商材を好む傾向にあるそうです。導入後の不具合やサポートは、メーカーのサービスマンと呼ばれる、専門の技術者が訪問するので、営業自ら訪問する必要はなくなります。
しかし、世間のペーパレス化や業務の省力化が進む現代で、いわゆる”モノ売り”だけでは商売が成り立たなくなってきているそうです。
そこで、OA業界で注目している商材がkintoneなどの”SaaSシステム”です。プログラミングなどの専門的な知識がなくてもシステムの構築、販売ができる。というのが最大の理由です。
このように、OA業界は、今までの”モノ売り”から、お客様の出来事(紙への出力を減らしたい…など)に対して販売をする”コト売り”にシフトしてきています。
“モノ売り”から”コト売り”へ
前述したとおり、OA業界は”モノ売り”から”コト売り”へシフトしてきています。
その中で最大の課題が、「どれだけの時間をお客様に割くことができるか?」と「kintoneなどのシステムを取り扱いができる人材の育成」です。
しかし、OA業界は、人員不足と定着率の低さが最大の課題です。
実際に、日本全体(全職種)の平均離職率が14%に対し、OA業界では30%前後で、特に新卒採用者の3年以内の離職率は推定で40~50%と非常に高く、新人育成ができずにいる会社も多いそうです。
厚生労働省『新規学卒者の離職状況』(2023)・中小企業庁『中小企業白書』(2023)より
私も、OA商社に勤務していた知人から、”営業”という職種にノルマなどの辛いイメージがあり、新卒採用が思うように進まない。といった話を聞いたことがあります。
そういった理由から、OA業界は人材育成が課題であり、kintoneなどのシステムを専門で取り扱いをする人材が不足している傾向にあります。
「一度作ったら終わり。」ではない、kintone。誰と作り上げるのか?
OA商社よりkintoneを導入したはいいものの、うまく活用できていない…ということはないでしょうか?
実際に、OA商社の営業マンより「使ってみたら便利さがわかる。誰でも使いこなせている。」というセールストークで導入したが、実際にはあまり活用できていなく、解約を考えている。という話を伺ったことがあります。
では、なぜ、OA商社から導入したkintoneが活用できていないのでしょうか?そこには前述した人材育成不足もあげられますが、以下のような理由もあげられます。
- 業種、業態向けのテンプレートアプリを使いまわしていて、実際の業務とズレている。
- 営業マンが”手離れ”を重視しているので、サポートが少なく、改善が滞る。
- わからないことはサイボウズに問い合わせてくれ。と言われる。
- 営業マンの都合や成績目的でゴリ押しされた。
- 複合機などの製品とセットで販売され、初年度無料などを謳われた。
これでは柔軟性がなく、活用できないことも納得です。
OA商社から導入したkintoneの環境を、弊社で再構築する。
kintoneの最大の特徴は、自分たちの働き方に合わせて自分たちでもカスタマイズができる。という点です。
そこには、専門的な知識も多少は必要ですが、お客様と伴走できる支援サポート体制も必要です。
弊社では、そんなお客様と保守契約を締結し、現在の業務の洗い出し(ワークフロー図の書き出しなど)を実施し、既存環境のパワーアップ、さらなるkintoneの付加価値を向上させることが実現可能です。
まとめ
OA商社からkintoneを導入することが、間違いではありません。しかし、OA業界の現状を知ったうえで、以下の点は、しっかり確認することをおすすめします。
- サポート体制が整っているのかどうか?
- 業界ではなく、自社に向けた具体的な活用方法やビジョンの提示があるか?
- kintoneの専任者がいるのか?(kintoneアソシエイトなどの資格も参考になります)
- 全体の流れや導入後の未来が描けるかどうか?
また、弊社では、自分でもしくは他社から導入したkintoneでも、ご相談をお受けしております。
現状の使い方に満足していない。もっとできることがあると思うけど、具体的にはわからない。といったお問い合わせお待ちしております。